心療内科で行われている代表的な治療法の一つが薬物療法です。薬物療法とは薬により不安や緊張、不眠などの症状を改善させることを目的としています。また、精神疾患は再発することも多く、薬の服用を続けていくなかで再発を防ぐ役割も持っています。患者の判断で薬をやめてしまうと再発につながりやすいので、医師の指示を守って続けるのが重要です。薬物療法で使われる薬は、抗うつ薬や抗精神病薬、睡眠薬などの様々なものがあります。抗うつ薬は脳内環境を元通りにする役割を持つ薬であり、うつ病以外にもパニック障害などの不安障害にも用いられる薬です。抗精神病薬は統合失調症の治療のための薬であり、睡眠が十分にとれない場合では睡眠薬が用いられます。
精神療法とは、医師やカウンセラーとの対話の中で問題の解決を目指していく方法のことです。カウンセリングも精神療法の一つです。専門知識を身につけた臨床心理士が患者の話を聞き、相手を受け入れ、適切なアドバイスをしていきます。他にも精神療法には様々な方法があり、その中の一つが認知行動療法です。物事のとらえ方を見直すことにより、認知のゆがみによって起こる憂うつな感情の軽減を目的としています。認知行動療法はうつ病や社会不安障害、強迫性障害などの疾患の治療に取り入れられています。回復率が高く、再発も起こりにくいのが認知行動療法の利点です、しかし、薬物療法よりも効果が感じられるまでに時間がかかる面があり、長期的に取り組むことが求められます。